工場見学 カシミヤ 深喜毛織物 

 大阪社労士会は、安全管理の研修の一環で、年に一度工場見学を実施しています。任意なので、私は今まで参加したことはありません

 

 今回の見学先は深喜毛織株式会社です。明治20年に創業され、各種羊毛の他、カシミヤ・アンゴラ・アルパカ等の高級素材を使用した商品を、原毛から仕上げまで一貫生産しており、製品は有名百貨店、専門店等で販売されています。
「繊維の宝石」と言われるカシミヤの原毛からの製造過程が見学でき、その上直販ショップで買い物ができるということで、初めて参加しました。

 

 最初にトランシーバーを渡され、スタッフに案内され、無線で説明を聞きます。老眼鏡をカバンから取り出している間にその説明は進んでいき、トランシーバーが上手く作動せず、最初の間、ひとり冷や汗がでました。

カシミヤの原毛を輸入し、機械で不純物を取り除き、綿にします。ダクトの中を風で運ばれ次の工程へ進んでいきます。工場内は広く、大きな機械が沢山あるのですが、驚いたのは従業員がほとんどいないことでした。数人だったでしょうか。以前は機械の前には何人も座っていたようですが、熟練の方々も80代で次々に引退され、今ではすべてコンピューターが担っているそうです。

 

 カシミヤはヤギの一種です。寒暖の差が激しい痩せた土地に生息しているカシミヤから良い原毛が取れるらしく、オーストラリアの緑豊かな土地に移したところ原毛は使い物にならなかったということです。厳しい環境で生き抜いているからこそ暖かい毛となるようで、なんだか申し訳ないような気になりました。

 

 毎年、研修に参加されている人によると、今はどの工場でも、驚くほど従業員はいないとおっしゃっていました。ダイハツの工場でも、人はほとんどいなくて、乗り心地をチェックする最後の工程のみに従業員がいたということでした。

私が小学校のころ見学したナショナル(現パナソニック)の電池工場では、機械の前に沢山の人が働いていたという記憶がありますが、随分変わったものです。10年程前は、友人らと吹田のアサヒビール工場に見学しました。最後に生ビールとおつまみを食べて楽しかったという印象しかなく、良く覚えていません。

 

 とにかく工場見学は、予想以上に楽しかったです。製品が作られていく過程を見るのは、非常に興味深かったです。機会があればまた見学してみたいです。見学の後、直販ショップで主人と私のカシミヤのマフラーを購入しました。厳しい環境で生き抜いたカシミヤの毛を有難く感謝して寒さをしのごうと思います。